Twitterはマーケティングに活用できるのか?

アメリカの全国TVネットワークNBC、ジェットブルー航空(JetBlue Airways)、イギリスの放送局BBC、ボストンのプロ野球チームレッドソックス、これらには共通点が一つある。それはなんだろうか?

その共通点とは、ミニブログサービスであるTwitterをマーケティングに利用しているということである。今回はTwitterはマーケティングに使えるのか? という点を考察していきたい。関連記事はこちらへ→ポストmixiの大本命!?ミニブログ「twitter」をご存知ですか?

米・大手企業のTwitter利用状況

Twitterのメインページを見ると、右下には特集(”Featured”)と言われているセクションが設けられており、ここにTwitterを利用してマーケティングを行っている企業などが紹介される。

現時点ではジェットブルー航空BBSラジオOpinion Journalなどが掲載されている。ただ、各企業の運営方法や内容の構成も様々である。

  • ジェットブルー航空(JetBlue Airways)
    投稿方法:管理人による手動書き込み
    内容:公式Webサイトのイベントの告知や、ブランドの親和性を高めるもの
    友達(Friends):114名
    購読者(Followers):26名
    その他:独自の壁紙
    書き込み数:14回 (7月17日現在)
  • BBSラジオ(BBS Radio 1)
    投稿方法:管理人による手動書き込み
    内容:ライブイベントの告知
    友達(Friends):1名
    購読者(Followers):88名
    その他:独自の壁紙
    書き込み数:41回 (7月17日現在)
  • Wall Street Journalの論説セクション(Opinion Journal)
    投稿方法:Twitter FeedやRSSを利用し、自動書き込み
    内容:記事の見出しを中心した新しい記事の告知
    友達(Friends):0名
    購読者(Followers):71名
    その他:独自の壁紙
    書き込み数:47回 (7月17日現在)

なぜアメリカ企業はTwitterによるマーケティングに興味を持っているのだろうか。

Twitterをマーケティングに使いたい4つの理由

これら企業以外にも、多くの企業が、Twitterを通して新しいマーケティングの可能性を探そうとしているのは確かである。

特にNBC、CBS、ABC、ESPN、MTVのような大手放送局が既にTwitterを利用したマーケティングを行っていることは、他のマーケッターに与える影響が少くないと思う。

comScore社のMedia Metrixによると、Twitterのアメリカにおけるユニークビジター数(2007年6月)は37万人だそうだが、ヤフーアメリカ(2007年5月)が9700万人というのを考えると、Twitterのトラフィックは決して大きい数字ではない。

しかし、アメリカの企業はTwitterによるマーケティングに興味を持ちはじめている。

第一の理由は、まず企業のマーケティング担当者がTwitterの話題性に便乗し、バズ効果を期待している点が考えられる。

Digg.comの成功以後、新しい成長動力を探していたWeb業界に大きな期待感をもたらしたため、Twitterはスタートしてまだ一年も経たないのにこれだけ注目を集めることができたのではないだろうか。

確かに、Twitterのことならば、何でも記事化される最近の流れに便乗するのも悪くないPRだろう。

第二に、Twitterでのミニブログ開設で得られるユーザーとのOpt-in関係、これらが全て無料であるという点がマーケッターの心を掴んだのではないかと思う。

勿論、それがいつまで無料であり続けるかは分からないが、今後有料化されたとしても、簡単にユーザーとのOpt-in関係を結べるし、比較的費用対効果が高いのは非常に魅力的である。

第三に、Wall Street Journalのケースのように、Twitter Feedなどを利用すれば、管理者が一つ一つ書き込みをしたり外部の人手を別途手配する必要もなく、既存サイトのRSSをそのまま又は若干変更し利用できるという、管理の利便さがマーケッターの決定を早めたと思う。

また、殆どのミニブログがAPIやRSSを公開しているため、複数のミニブログを利用する場合でも既にWeb上で公開されているミニブログマルチ投稿ツールなどを利用して管理の手間をセーブできる。

最後に、第四の理由として大きな口コミ効果が期待できる点にある。メッセージを投稿する度にメインページに露出され、一回作ったミニブログはキャンペーン後にも残るため、ユーザーと企業が長く付き合うことができる。

また、検索エンジンとの親和性が非常に良いため、SEOの面からも軽く見ることができないツールになるだろう。

Twitterマーケティングのこれから

Twitterが持っているこれらマーケティング的メリットに着目している日本企業もある。すでに様々な媒体に取り上げられている、

自動車メーカーのマツダがその会社だ。Twitter上の紹介文をみると”ロータリーエンジン40周年記念サイトに寄せられたコメントの紹介と、最新情報をお知らせするTwitterアカウントです”と書かれている。

マツダのTwitterページを見ると、効果面では最初に紹介したアメリカの企業をマツダが上回っているような気もする。

  • マツダ
    投稿方法:ロータリーエンジン40周年記念サイトに寄せられたコメントを、管理人が手動で転載
    内容:ロータリーエンジン40周年記念サイトに寄せられたコメント
    友達(Friends):117名
    購読者(Followers):115名
    その他:ディフォルト壁紙
    書き込み数:199回 (7月17日現在)

今後の展開はどうなるだろうか?

筆者は、Twitterを利用したマーケティングが他のミニブログにも広がることを前提とし、近いうちに、更にダイナミックなマーケティングが展開される可能性が高いと考えている。

Twitterはメッセージロギングシステムとしての基本機能が充実しているが、競合他社のサービスと比べて機能面がそれほど強いとはいえない。

Tumblr.comJaiku.com、また和製Twitterとも言われている国内のミニブログ(Haru.fm、Timelog.jp、Mogo2.jpなど)は、Twitterと比べるとより多様な機能を揃えている。

そして一番考えられるのは「コンテンツ共同観覧」のような、ミニブログ内部のイベントがマーケティングの一環として行われることだ。

動画や写真などを共同でみる機能とタグ機能がすでに実装されているため、映画やドラマの予告編試写会等、イベントをミニブログの中で実施することも全く無理な話ではない。このようなイベントを通してコンテンツの口コミを広げる効果が期待できるだろう。

また、考えられるのは、Twitterキラーとも言われているPownce.comが提供しているイベント専用書き込み機能の利用によるオフラインイベントやセールの告知への利用である。

この機能は、中小規模の企業が販売促進の次元で関心を持つ可能性が高い機能になるだろうと思う。更に踏み込んで、特定のユーザーに対するクーポンの発行機能まで実装できるならば新たな可能性が開かれるのではないだろうか。

その他の可能性としては、オフラインイベントのオフィシャルミニブログ開設によるユーザーを情報発信の主体にすることである。

スポーツ試合、ライブ公演、野外で行われるキャンプ、セミナーなどのイベント主催者がミニブログを開設しタグ機能などをうまく使えば、顧客との生き生きとした関係を構築しながらもまた新しい顧客を獲得できる面白いマーケティング効果が得られると思う。

ミニブログは日常コミュニケーションの投影

今回話した内容は決して未来の話ではない。今後、国内でもこのような事例は増えていくのではないだろうか?

ミニブログを今の日本の状況から見てみると、まだそのユーザー数が少ないことが大きな弱点のひとつである。

故にマーケッターの注目が集まっていないとも言えるが、マーケッターは常に新しくて斬新なメディアや新しいアイディアに貪欲でなければならない。

Web Communication Position Map

web communication map

上図は様々なWebコミュニケーションツールのポジションマップである。すべてのツールがはっきりと区別されるわけではないが、コミュニケーションツールが、そもそもは我々の日常の生活上で既に存在したコミュニケーションのレプリカと言えるならば、各コミュニケーションツールはこの図面上で確実なポジションを持っているはずである。

図を見ると、ミニブログは我々のコミュニケーションの一部をよく表しているコミュニケーションツールであるといえる。

このような背景から推測すると、ミニブログは一時的なブームではないと考えられる。上図のように、我々の日常の生活の中でミニブログ的なコミュニケーションは既に存在していたのである。

例えば、授業が終わった後の教室の中の会話や、大きいビルにある喫煙室の中の会話は、まさにミニブログ的だと思われる。そのような意味でも、ミニブログは今後我々のWebライフに定着していくコミュニケーションツールであると見ているのだ。

ミニブログを使ったマーケティングに少しでも興味があるなら、いまのうちに試してみてはいかがだろうか。

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